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柴本 泰照; 久木田 豊*; 中村 秀夫
Nuclear Technology, 139(3), p.205 - 220, 2002/09
被引用回数:35 パーセンタイル:87.83(Nuclear Science & Technology)溶融金属表面での水の直接接触沸騰は非常に効率の良い熱伝達を期待でき、液体金属冷却炉の一体型熱交換器の開発や軽水炉溶融炉心の冷却手段,または事故時の影響評価などと関連して近年注目を集めている。水ジェットのプール中への貫入挙動について、非沸騰体系またはジェットの沸騰する体系,プール材料の沸騰する体系など、数種類のプール流体を用いた実験研究がこれまでに行われており、プール流体と水ジェットの密度比=/で0.81~13.6の範囲に及んでいる。これらの研究により、ジェット貫入やキャビティ形成に関する各種データが提供されてきたが、実機のような高密度比(大)かつ高温沸騰条件でのデータは筆者らの研究を除いてほとんど得られていない。本研究では高速度撮影の中性子ラジオグラフィを用いた実験を行い、可視化に対する問題を解決するとともに、発生蒸気量やメルト/水噴流界面形状にかかわるパラメータの定量計測を行った。衝突ジェットは、小の場合にはジェットブレークアップ(エネルギー散逸)により貫入が制限されるのに対して、高温溶融金属中への水ジェット貫入は浮力によって制限される。また貫入は、沸騰による蒸気生成量やその界面の安定性にも大きく影響され、初期メルト温度や噴流速度に対する依存性があることを見いだした。